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2010年11月19日 (金)

プロとして活動していくために・・・2

選手活動の収支について・・・

チームにスポンサーがついてくれたら日本のテニス界も活性化されてくるのでしょうが・・・現状は厳しいでしょうね。基本的には個人で少しでも支援してくれるスポンサーを獲得して遠征費や活動費を捻出しなければいけないでしょう。
実際にプロとして活動するためにはどのような経費が必要でしょうか。まずは収支について考えていきたいと思います。

 <収入>
・賞金
・スポンサー収入
・イベント収入など

 <支出>
・コーチやトレーナーなどの指導依頼料
・練習場の確保
・遠征費
・生活費

賞金収入というのは悲しくなるほど少ないのが現実です。大きな大会(GSやGP)に常時参戦できるようなレベル(トップ100)にならないとプロとしては厳しいというのが現実です。
500位以下のランキングの選手の主戦場は総額1万ドルクラスの大会です。もっとも規模の小さい1万ドル大会の場合は優勝で1300ドル、準優勝で900ドル、SFで480ドル、QFで290ドル、2Rで200ドル、1Rで118ドルです。
ダブルスは優勝で315ドル、準優勝で195ドル、SFで130ドル、QFで90、1Rはなしです。ダブルスはペアでの金額(未確認)でしょうから実質はこの半分です。

ATP公式HPによると、日本の守屋選手がここまで(As of 15.11.2010:387位;106p)2010年25大会で14914ドル(国際大会のみ)だそうです。全日本の優勝賞金よりも少ないのです。お金持ちになりたいのならプロテニス選手はおススメできませんね・・・

As of 15.11.2010の成績で日本人男子の4強の獲得賞金を見てみると・・・

101位 錦織選手(16大会:547p):$170,534
122位 添田選手(24大会:467p):$87,718
196位 伊藤選手(25大会:257p):$46,650
214位 杉田選手(16大会:230p):$41,853

101位の錦織選手と122位の添田選手の差が大きいのが意外でしたが、これはおそらくGS大会の成績によるものだと思います。ポイント数よりもビッグトーナメントへの参加の度合いが獲得賞金に影響すると思われます。
大体400位~500位くらいの選手ならばせいぜい(国際大会のみだと)100~200万円といったところではないでしょうか?パートやアルバイトの方がよっぽど稼げるといえます・・・

スポンサーがない状態でプロ活動をするのはかなり厳しいことがわかるでしょう。本当に日本の現役選手たちはどうやって生活しているのでしょうか?

支出の中で一番大きいのは「遠征費」でしょう。本当ならばレベルの高い海外の大会へ参戦したい所ですが、高額な遠征費の負担は大きいです。
2010年で国内開催(男子)のF大会は8大会、CHは2大会(全日本室内・ダンロップチャレンジ)、GP1大会(ジャパンオープン)でした。まだまだ少なすぎますね・・・

生活費さえ厳しそうな現状では、コーチやトレーナーを雇うお金はほとんど出せないでしょう。多くの選手は基本的に1人でツアーを回っているのではないでしょうか?ついていてもほとんどが(見合ったギャラをもらわない)ボランティアではないかと思います。それはプロとは言えないような気がします。
テニスに関わるプロ(コーチやトレーナー)として選手を指導するならば、それに見合ったギャラを得られないとテニス界は成長しないのではないかと考えています。現状でも今は良い(情熱さえあれば充実感があります)かもしれませんが、このままではコーチがバーンアウトしてしまうかもしれないので心配です。これはまた別の問題ですね・・・。

では、チームで活動をするにあたっての支出はどのくらいでしょうか?ここでは4人で編成する場合を考えてみました。

 <支出>
・コーチとトレーナーの指導料:5万円/月(2人分10万円)×12=120万円
※コーチ・トレーナーは年収240万円(月収20万円)を想定(チーム人数が多いと1人分の負担は軽減)

・遠征費(自分の遠征費とスタッフの遠征費の折半):約300万円
※1回の遠征費を10万円として20大会出場で算出してみました。

・練習場:3万円/月×12=36万円
※テニスクラブの会費分を安めに想定してみました。

・生活費:15~20万円×12=180~240万円
※幅は家賃分(東京なら6~8万円が必要でしょう)。拠点をどこに置くかも重要ですね。実家で活動できれば節減可能でしょうが、果たして独立と言えるか?食事もプロとしては重要なので、余裕を持った生活費を考えてみました。

合計で年間636~696万円かかる計算です。相場とは違っているかもしれないので、あくまで仮想のモデルとしてあげておきます。
私も具体的に計算したのは初めてだったので、非常に興味深いです。改めてテニスはお金がかかることを痛感しました。

年間の獲得賞金を200万円と見積もっても436~496万円が赤字です。どのくらいの費用をスポンサー収入で補えるでしょうか?
スポンサーからの支援で賄える金額以外は自分からの持ち出しということになります。基本的には親の経済力に頼ることになるでしょうね。
テニスは「お金持ちのスポーツ」というのは事実です。子供をプロのテニス選手にしたいと考えていらっしゃる親御さん(プロを目指す子供たちも)は覚悟しておいた方がよさそうです・・・

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コメント

初めてコメントします。
私もこういうプロ選手の台所事情みたいなのにはすごく関心があるので、興味深く拝見しました。

・・・が、その数字はちょっと現実からかけ離れているような気がします(支出面)。

スポンサー料がケタ外れにあると思われる錦織選手を除く添田・伊藤・杉田はいずれも外国人コーチと契約していますが、特に添田選手のコーチは元トップ40です(ちなみにこのランクは過去日本人が付けたコーチでは最高だそうです)。コーチ自身地元から離れて選手の遠征に付き合う訳だから、5万円というのは月額ではなく日当であってもおかしくない金額でしょう。
コーチとはパートタイムですが、彼らが遠征する時は大抵日本人のトレーナーが帯同していますよね。

彼らは高い技術やコネクションを選手に還元しているだけでなく、それぞれに家庭もあるでしょう。ボランティアでやっているとはとても考えられません。

という中で話は変わりますが、上の選手に限らず、他の国内選手のブログに公開されてる自宅写真などを見ると、皆さんそこそこいいところに住んでいるようですよ。

・・・と謎は深まってしまうのですが、日本人のトップ選手は大抵が企業と所属契約を結んでいますね。
添田選手は違いますが、伊藤・杉田に関していうと、テニス部があり日本リーグへの出場を前提とした契約で、上のような支出をまかなえるそれなりの契約金が支払われているのでしょう。
(金額は控えますが、某所で見たことのある推定額は一般のサラリーマンとくらべて「おっ!」と思う数字でした・・・が、選手としてより満足のいく活動を行うためにはそれでもまだあってもいいと思えます)
ただ、選手のランクによって契約金に差があるのは当然だろうし、どことも契約せず(できず)にフリーで活動している選手が思い描くように海外に遠征できない、というのはあり得る話です。

・・・と、関心があるテーマだけに長くなりました。
ないと分かっていつつも、どこかテニス雑誌とかにこういう特集を組んで欲しいです(笑)

初のコメントありがとうございましたhappy01

ご指摘ですが・・・この記事はパート1からのシリーズ物でして(まだ続きそうです)、多くの資金を持つ一部のトップ選手を除いた底辺のプロ選手が少ない資金でいかにして良い環境で活動できるか・・・?というテーマで書いております。

添田選手もやっと外国人のツアーコーチと契約したことは非常に素晴らしい事だと思っています。ザンゲネッティ氏のようなツアー実績のあるツアーコーチを雇うために、どの位の資金が必要か・・・非常に興味があります。ご存知でしたら、是非sabumasa様のブログでも教えてください(いつも拝見してます)。
本来、彼の場合はその決断をもっと早くすべきだったと思っています。今のスポンサーがものすごい資金を提供しているからこそ実現できたのでしょうか?そうならこのご時世にすばらしいスポンサーを得た添田選手は大いに感謝すべき(実力ですか?)でしょうね。

おそらく世界的に見て、トップ100にも満たないランキングの選手がスポンサーからの充分なサポートを得て活動できるのは稀なケースであると思います。
あのルー選手でさえ、日本リーグのソニーからの支援で何とかトップ50に入ることが出来たのです。ソニーの支援なしにはたどり着くことは出来なかったのではないでしょうか?
日本人は不況と言いつつも意外と恵まれた環境なのかもしれませんね。多分、仰るようなリッチな暮らしぶりの(低ランクの)選手の様子を外国人選手が見たらびっくりすると思いますよ(私もびっくりです)?獲得賞金から考えてサポートを受けている選手は企業に対してどのくらい還元できているのかを考えたら、一般のサラリーマンの感覚で考えたらあり得ないことだと思います。このまま不況が続けば、企業側がいつ「事業仕分け」に踏み切っても選手は文句は言えないと思います。現状に最大限感謝して期待に応えられるように頑張らないとプロ失格ですね。

但し、多くの日本人選手が十分なスポンサーのサポートを受けられいるわけではない現状はご存知でしょうか?
ある選手は伊達さんが復帰した当時マスコミに注目された大会の記者会見で悲痛な叫びをあげています。「世界で活躍を夢見ていても、ツアーに出る資金がないためにチャレンジできない。どなたか私のスポンサーになって下さい」と訴えたのです。
彼女のアピールはプロとしては褒められた行動ではありませんでしたが、ちょっとした問題提起にはなったように思います。

彼女のような選手は他にもたくさんいます。これからプロを目指す子供たちも、プロが決して甘い世界ではないという事を私は訴えているつもりです。
でも、私はどうすれば日本がテニス大国になれるかを考えて、突拍子もないアイデアを提案し続けたいと思っています。基本的に私は日本テニス界の明るい未来を信じていますよ!

このテーマは自分でも書いているうちに新しい問題が次々に出てくるので思った以上に長くなりそうですcoldsweats01
どのように展開していくかは私自身も楽しみであります。乞うご期待!?

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